「2型糖尿病の根治を目指した膵β細胞増殖活性化剤の開発」プロジェクト
代表:合田亘人(理工学術院 教授)
世界的に拡大の一途を辿っている2型糖尿病の進展を抑制し改善することが、罹患者の生活の質の維持と健康長寿の延伸の実現のための喫緊の課題である。2型糖尿病に対する既存の治療薬は短期的には血糖値を改善できるが、通常、病態が顕性化した時点で既に機能的な膵β細胞数の減少が生じていることから、早晩、良好な血糖値のコントロールが難しくなり、より重篤な心血管イベントが発症し罹患者の生活の質を著しく損ねてしまう。そのために、既存の治療薬とは全く異なる作用点に働きかけ、正常なインスリン分泌能を持った膵β細胞数を増やす新たな治療薬の開発が必要である。本研究では、膵β細胞に直接働きかけ、機能的な膵β細胞量を増やすことができるタンパク質と同様な薬理作用を示す抗体類似タンパク質シーズ医薬品の開発とその効果検証に取り組む。